◆パ・リーグ 西武3―0オリックス(16日・ベルーナドーム)

 もう少しだけ投げたかった。7回を3安打、無失点でまとめてベンチへ戻った西武・渡辺は西口監督に「なんや、あのボール、ボールは」と苦笑まじりに声をかけられた。

7回、急にボール先行となって疲れがのぞいた。「狙っていたのですが…」。7年目でのプロ初完投初完封は逃したものの、150キロ前後の速球、変化球をテンポよく投げ込んで三塁を踏ませなかった。4月13日の日本ハム戦(エスコン)以来となる2勝目に「やっぱりうれしいですね」と笑った。

 チームはこの日午前8時過ぎに福岡を出発し、昼過ぎに所沢へ。疲労を考慮し、午後3時には練習を終えた。「移動試合は先発が長い回を投げて早い回に点を取らないと」と指揮官。その思惑通りの展開で、試合時間は今季リーグ最短の2時間12分。単独2位に浮上した。「まだ先は長いが、上にいるのは気持ちいい」と西口監督。首位の座をしっかりと視界にとらえた。(秋本 正己)

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