◆米大リーグ ドジャース9―11エンゼルス(17日、米カリフォルニア州ロサンゼルス=ドジャースタジアム)

 ドジャース・大谷翔平投手(30)が17日(日本時間18日)、本拠地エンゼルス戦前にブルペン入りし、23年9月の右肘手術後最多となる50球を投げた。早ければ、24日(同25日)にも術後初めて打者相手に投げる可能性も浮上。

当初、復帰は球宴後とみられていたが前半戦中のメジャー登板にも現実味が出てきた。日本人初の4戦連発がかかったエ軍戦は6打数無安打に終わった。

 また一歩、投手復帰への階段を上った。試合開始約3時間15分前。大谷は練習用の青のユニホームを着てブルペンに入ると、25球を投げて約6分の休憩を挟み、合計約30分間で50球を投げ込んだ。肘への負担を考慮し解禁されていないスライダーこそ投げなかったが、スプリット、カットボール、ツーシームと変化球を中心に、最速は95マイル(約153キロ)も計測。50球は23年9月の右肘手術後、24度目のブルペン入りで最多だった。

 昨年8月24日に初めてブルペン入り。同11月の左肩手術、今年3月の打者集中のためのペースダウンなど一進一退で進めてきたが、開幕後は週に2度のペースでブルペンに入ってきた。ロバーツ監督は「前進し続けていることはいいこと。ただ、私は彼の次のステップが何かは分からない」と話すにとどめたが、関係者によると24日(日本時間25日)にも実戦形式の打撃練習(ライブBP)などで打者に投げる見込み。7月18日(同19日)からの後半戦で投手復帰することが濃厚だったが、前半戦終了まで約1か月半あるため、順調ならば7月15日(同16日)の球宴前にも登板する可能性も出てきた。

 チームとしてポストシーズンの10月を見据えて慎重に進める方針を掲げている一方で、一日も早く大谷に復帰してもらいたいという現状もある。先発陣は故障者が続出。開幕ローテ入りしていたスネル、グラスノー、佐々木が負傷者リスト(IL)入りしており、スネルはこの日、60日ILに入り、6月上旬までの復帰が不可能になった。グラスノーはまだブルペン入りできておらず、朗希はノースローで復帰時期は白紙だ。

 ローテで回っているメイ、ゴンソリンは手術の影響で昨季登板なし。山本もMLBでシーズンを投げ抜いた経験はない。この日、昨年11月に左膝などの手術を受けた通算212勝のカーショーが初先発も、4回5失点とピリッとせず。救援陣もイエーツが右太もも裏を痛めて緊急降板するなど離脱者が続出している。

 大谷はマイナーで調整登板する予定はなく、実戦形式で打者に投げメジャー登板に向かう。投球練習後は花巻東高の3学年先輩の菊池(エンゼルス)にあいさつ。佐々木、山本も加わって約13分間談笑し、リラックスした表情を見せていた。打者としてフル回転しながら、二刀流への道も順調に進んでいる。

(安藤 宏太)

 ◆大谷の投手復帰への経過(現地時間)

 ▽23年9月19日 18年10月以来2度目の右肘手術。

 ▽24年3月25日 キャッチボール再開。

 ▽8月24日 術後初のブルペン。

 ▽9月21日 術後8度目で、24年最後のブルペン。

 ▽11月5日 左肩手術を受けたことを発表。

 ▽25年2月15日 左肩手術後初で約5か月ぶりのブルペン。

 ▽25日 キャンプ4度目で開幕前最後のブルペン。キャンプ最多30球で、最速95マイル(約153キロ)。

 ▽3月29日 開幕後初で32日ぶりブルペン。

 ▽5月17日 右肘手術後最多の50球。

 ◆ドジャースの先発事情 現在は山本、メイ、ゴンソリン、ナック、カーショーの5人。開幕からは山本のみで、メイ、ゴンソリン、カーショーは手術明けのシーズンだ。

スネル、グラスノー、佐々木はIL入りで復帰時期は白紙。マイナーではミラー、ロブレスキらが先発枠を狙っており、シーハンも実戦復帰が近い。当初は成長過程の佐々木や二刀流・大谷の負担を考慮して6人ローテの見込みだったが、現時点で5人。谷間はブルペンデーでしのいでいる。

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