◆札幌六大学野球春季リーグ第2節第3日・北海学園大11―9道文教大(23日・札幌モエレ沼公園)
北海学園大が11―9で道文教大を下し、3季ぶり11度目(2リーグ制移行後)の優勝を飾った。7点ビハインドの4回に打者一巡の猛攻で一挙8得点。
“黄金世代”がついに全国切符を手にした。9回2死満塁。2点を返され、なおも長打が出ればサヨナラ負けのピンチを迎えた北海学園大のプロ注目右腕・工藤泰己(4年=北海)は「絶対に抑えて優勝したいという思いが出た」。ピッチャーライナーがグラブに収まると、帽子、グラブを高々と投げ、歓喜の輪をつくって喜びを爆発させた。
優勝までのマジック「1」で迎えた一戦。1部初挑戦の相手に対し、想定外の展開を強いられた。1回にいきなり3点を先制されると、3回にはソロ本塁打などでさらに4失点。7点を追いかける展開となったが、打線が目を覚ました。
4回。無死満塁から押し出し四死球などで4点を返すと、さらに4番・郡山遥翔一塁手(3年=札幌大谷)の2点適時二塁打などで同点に追いついた。
投手陣は最速159キロの工藤らドラフト候補が複数おり、同大学史上最強とも呼ばれている。今季開幕前から投手力がクローズアップされてきたが、打者も負けじと奮起した。22日の星槎道都大戦は9回裏に追いつかれる苦しい展開となったが、延長11回タイブレークの激闘(7○6)を制して優勝に王手。この日も投手陣が序盤に失点を重ねたが、12安打の大逆転で頂点に上り詰めた。杉林蒼太主将(4年=北海)は「投手は力がある。あとは野手がどう点数を取るかが課題だった。きょうは最高の形」とうなずいた。
全日本大学選手権出場を想定し、春に関東遠征を行った。1回戦後、休養日1日を挟んで連戦となる準々決勝までのスケジュールと同じように巨人2軍などとオープン戦を組み、“予行演習”は実施済みだ。公務でベンチを外れ、試合終了後に球場に到着した島崎圭介監督(53)は「まずは1勝。