◆イースタン・リーグ 巨人9―3西武(24日・ジャイアンツタウンスタジアム)

 右大腿(だいたい)二頭筋筋損傷から復帰した巨人・丸佳浩外野手(36)がイースタン・西武戦(Gタウン)で今季“1号”を放った。「3番・左翼」で先発し、左越えソロを含む2安打1打点。

患部の不安を一掃する激走も見せ、1軍復帰へ大きく弾みをつけた。2軍調整中の田中将大投手(36)は先発で移籍後最長の6回を投げ切り、5奪三振1失点。「確実に前進している」と手応えを口にした。

 らしさ十分のひと振りだった。丸が左手で押し込んだ打球は、高々と舞い上がって左翼席最前列で弾んだ。実戦復帰後、16打席目で飛び出した待望の一発。「風だと思うけど」と謙虚に振り返りつつ「今日は全打席いい形で入れたのでよかった」と全4打席にうなずいた。

 Gタウンがどよめいた一撃は4回先頭の2球目。西武の先発右腕・上田の外角いっぱいの直球を角度をつけて仕留めた。広島時代から何度も見せてきた逆方向への放物線に「体の中、力が入るとこで打てないと逆方向はなかなか距離が出てくれない。いいポイントで打てた。ここ最近の練習も含めて“いい気”はあったので」と技術を詰め込んだ。

大盛り上がりのベンチにはお決まりの丸ポーズで迎えられ、小走りでうれしそうに応えた。

 続く3打席目は痛烈な右前打。他の右飛、左飛もバットの芯で捉え「ひと振りでイメージした打球に近い当たりが出てくれた」と全てに内容があった。5回はティマの左中間適時二塁打で一塁から激走。鋭いスライディングで生還し、痛めた右太ももの不安を一掃した。開幕直前の3月22日・ロッテ戦(東京D)の走塁中に負傷。「最後、よぎりましたけどね。けがした時のやつがすごいフラッシュバックした。あ~危なかった」と笑わせつつ「でも本当、大丈夫。心配はない」と笑顔でグッドサインを出した。

 守備もこなし、1軍復帰は秒読み段階。それでも「すぐに出て『ちょっと張ってきました』とかが一番イヤ。

耐久面、最終段階だからこそ一番慎重に」と背番号8。見据えるは、完全体でのカムバックだ。(堀内 啓太)

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