◆春季北海道高校野球大会 ▽1回戦 知内3x―2北照=延長11回タイブレーク=(26日・札幌円山)

 1993年春のセンバツ甲子園に出場している古豪・知内が延長11回タイブレークの末に北照を破り、準々決勝進出を決めた。エース右腕・田沢慶明(3年)が完投し、サヨナラ勝ちを呼び込んだ。

 知内が激闘を制し、春全道3年ぶりの勝利を挙げた。無死一、二塁から始まるタイブレークの延長11回。1死満塁から5番・中島琥雅二塁手(3年)が右翼に飛球を放ち、三塁走者の槙沢奏良左翼手(3年)がホームイン。ベンチからサヨナラの瞬間を見届けた田沢は「チームメートの中島君がしっかり決めてくれて、うれしかった」と頬を緩めた。

 春夏合わせて甲子園10度の出場を誇る名門との一戦。地区予選4試合計19イニング無失点の右腕は「ミートされたら外野に強い打球が飛んでいく。低めに集めてゴロを打たせよう」とマウンドに上がった。

 高校入学後、球の角度をつけるために体を左側に倒すように改良したフォームから、テンポ良く130キロ中盤の直球や多彩な変化球を投げ込んだ。終盤疲れが見え始めたが、「支部の決勝でも高草木監督が田沢に尽きると言っていた。その気持ちに応えようと思って、最後まで行ってやろう」と、延長に入ってもマウンドに立ち続け151球完投。砂川北出身で、昨年7月から指揮を執る高草木穣監督も「ランナーがいても落ち着いて投げていた。最少失点で、1点で止めたのも大きいですよね」とエースの力投に目を細めた。

 道南・福島町出身の右腕。道内の私立校からも勧誘を受けていたが、22年南大会準優勝メンバーで、同じ福島町出身のOB馬躰光瑛外野手(現トヨタ自動車東日本)に憧れて町立校に入学した。27年ぶりの4強進出がかかる28日の準々決勝に向けては、「今日みたいに相手が強くても粘り強くやって、最後に勝てたら」と意気込んでいた。

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