◆東京六大学野球春季リーグ戦 第7週第3日▽明大3―2法大(26日・神宮)

 明大が接戦を勝ち切り、勝ち点4で単独首位に浮上した。31日からの早慶戦で慶大が1勝すれば、4季ぶり44度目のVが決まり、早大が2連勝した場合には昨秋に続き、早明で優勝決定戦が行われる。

 9回途中に6番手で登板した大室亮満(2年=高松商)が緊急登板で試合を締めてチームを救った。

 登板は突然だった。9回1死一塁。この回から救援していた最速155キロの今秋ドラフト候補右腕・大川慈英(4年=常総学院)が右足首を負傷するアクシデントで降板。両肩を支えられベンチに下がる姿に球場が騒然とする中、大室が大きく息を吐き、マウンドに上がった。「正直、心の準備は完全にはできていなかった」と言いつつも、「肩は作りながら見ていた」。最初の打者に四球を与え1死一、二塁。長打が出ればサヨナラのピンチとなったが後続を右飛、見逃し三振。度胸満点の投球で試合を締めた。

 アクシデントを跳ね返した大室の投球を戸塚俊美監督(60)も「神宮でこういう緊迫した場面を経験できる機会は少ない。この経験を糧にどんどん成長してほしい」と称賛。チームを4季ぶりリーグ制覇にまた一歩近づけた、見事なリリーフだった。

(北村 優衣)

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