◆JERA セ・リーグ 巨人4―2ヤクルト(24日・東京ドーム)

 巨人のF・グリフィン投手(29)はスコアボードにゼロを並べ続けた。6回2死一塁。

山田を遊ゴロに仕留めベンチへ。阿部監督とグータッチをかわすと、ようやく表情を崩した。「走者が得点圏にいるときに思ったように投げられたことがよかった」。これで15イニング連続無失点。勝ち星こそつかなかったが、自身が先発した試合ではチームは4戦4勝となった。

 4四死球、被安打1。「直球はよかったがコントロールに苦しんだ」と振り返るように、3回以降は毎回走者を背負ったが要所を締めた。阿部監督は「今日はストライクゾーンが少しきつめだった。その中でよく粘って投げた。素晴らしい投球だったと思います」と左腕の集中力をたたえた。

 天敵を抑えた。ヤクルトのオスナには昨季、16打数8安打、打率5割と打ち込まれた。

「今まで一番打たれていた球種を避けた」とこれまではフォークを投げていた場面で、代わりに使ったのがチェンジアップだった。この日は3打席対戦し、1つ四球を与えたが無安打。嫌なイメージを払拭した。

 好投を続けていても、ゲン担ぎをしないのがグリフィン流だ。「特別新しいものがあるわけではない」と語るが、裏付けのある努力はしっかりするタイプ。「毎年登板間の調整とか試行錯誤していろいろ変えていることが結果的に最高の状態でマウンドに登れている」。来日3年目。これまで積み上げてきた経験とデータをアップデートしながらマウンドに上がっている。

 これで今季は26回を投げ、防御率は0・69。開幕直後は発熱などで出遅れたため規定投球回には達していないが、抜群の安定感を誇っている。チームの今季最長タイとなる4連勝に貢献したクールガイ。「あまり先を見ずに、1イニング1イニング投げるだけ」。

助っ人左腕は己の仕事を全うし続ける。(臼井 恭香)

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