◆春季近畿地区大会▽1回戦 大阪桐蔭2ー9東洋大姫路=8回コールド=(25日・さとやくスタジアム)

 宿敵から5年ぶりに白星を挙げた。エース右腕・阪下漣(3年)らを欠く中、東洋大姫路打線が13安打9得点と大暴れ。

岡田監督にとっては履正社時代の21年秋季大阪府大会準決勝で敗れて以来の大阪桐蔭戦で、勝利は20年夏の大阪大会準決勝以来。「長いこと一緒にやってきて、大阪桐蔭さんのおかげで成長させてもらってきたので。今日は楽しく野球ができた」と笑みがこぼれた。

 「中野くん、森くんを打てるとは思っていなかった」。指揮官の予想をいきなり覆したのは、U―18日本代表候補の高畑知季(かずき)遊撃手(3年)だ。初回1死一塁、大阪桐蔭・中野の2球目を左中間スタンドに運ぶ先制2ラン。「短く持って、コンパクトにバットを出すイメージで打ちました」。6回には木下鷹大(ようた)投手と渡辺拓雲二塁手(ともに3年)の連続二塁打で3点を追加。7回から登板したドラフト候補の森にも4安打を浴びせ、最後は8回1死一、三塁、高畑が左越えの適時二塁打で試合を終わらせた。

 岡田監督にとって大阪桐蔭は、17年のセンバツ決勝や大阪大会などでたびたび争った宿敵だ。「(大阪桐蔭には)毎年、プロに行くような投手しかいない。その投手をどう打つか、ずっと考えてやってきた」。

東洋大姫路でもその姿勢は変えず、22年の就任当初から、バットのヘッドをいかに速く振れるかを重視し、数値化することで選手への意識付けを徹底した。この日は剛腕2投手から長打7本。振り負けなかった。

 練習試合の誘いは何度もあったが、指揮官は「もう少し力を付けて、試合ができる相手になったらするわ」と断っていたという。ついに実現した名将対決での完勝。大会制覇、そして夏の全国の頂点へ、チームは大きく加速した。(瀬川 楓花)

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