◆パ・リーグ ソフトバンク5―13オリックス(25日・鹿児島)
豪快に決めても、喜び方は控えめだった。オリックス・西川龍馬外野手(30)が通算1000安打を達成した。
中学時代は右打ち。阪神・今岡を追いかける少年だった。当時の指導者に左打者としての能力を評価されたのが転機。15年のドラフト5位で広島に入団した当時は67キロだった。「新井(貴浩)さんや石原(慶幸)さんにたくさん食べさせてもらいました」。圧倒的な練習量とウェートで、今は84キロ。
FA移籍1年目の昨季は打率2割5分8厘。苦しんでも、頭の中心には「野球」があった。「いいイメージが降りてくる時がある」と部屋にはバットを常備。ひらめくと夜間でも体を起こし、スイングする努力家だ。試合中に派手なガッツポーズをしないのは、真剣勝負をする相手への敬意があるから。チームは日本ハム時代からカード別最多の22勝を献上していた天敵の上沢に9個目の黒星をつけ、今季最多の13得点で大勝した。「一日一日、積み重ねていければいい」。実は飛行機移動が苦手だが、切り替えは得意な天才。まだまだ極める。(長田 亨)
〇…杉本と森が通算2000安打を達成した楽天・浅村へ「後祝い」の活躍を届けた。自主トレに同行するラオウは「桃鉄でしか来たことがなかった」という自身初の鹿児島で大暴れ。