◆米大リーグ メッツ5―2ドジャース(24日、米ニューヨーク州ニューヨーク=シティフィールド)

 ドジャース・大谷翔平投手(30)の投手復帰の「Xデー」が見えてきた。D・ロバーツ監督(52)が24日(日本時間25日)、復帰時期について触れ、7月15日(同16日)のオールスター明けの後半戦になる見通しを明かした。

25日(同26日)の敵地・メッツ戦前にライブBP(実戦形式の打撃練習)で登板し、23年9月の右肘手術後初めて打者相手に投球予定。早ければ7月18~23日(同19~24日)の本拠地・6連戦でドジャース初登板を果たすことになりそうだ。

 「投手・大谷」復帰への道筋がだんだんと浮かび上がってきた。25日にはライブBP初登板を控える。復帰登板が球宴後になるか問われたロバーツ監督は「そう思う。それが自然な成り行きだ。それより早くなるとは思わない」ときっぱり。マウンドへ上げる条件には「5、6回くらい投げられること」を掲げた。

 今季の球宴はアトランタで7月15日に開催される。後半戦は同18日から23日までの本拠6連戦でスタートし、ブルワーズとツインズと3戦ずつこなす。今回のライブBPは23日の試合が5時間46分(中断含む)と長引いたことから現地時間・日曜の登板となったが、これまでのブルペン入りは土曜日だった。日曜はデーゲームが多いこともあり、今後も引き続きスケジュールに余裕がある土曜日(日本時間は日曜日)に、ライブBPなどの本格的な投球練習を行っていく可能性が高い。

このルーチンが続いていけば、「Xデー」は7月19日(同20日)のブルワーズ戦となる。

 カレンダー通りなら、ライブBPなどは前半で8度こなすことが可能。ここまでブルペンでの最多は17日の50球だが、先発として必要な100球まで増やすには、十分の段階を踏む期間がある。さらにこれまでロバーツ監督やフリードマン編成本部長が繰り返し口にしてきた最終的なターゲットは、ポストシーズンが行われる「10月」。後半戦で週1度ペースならレギュラーシーズンで10度ほど登板することができ、実戦感覚を取り戻し、状態を上げていけるだろう。

 大谷の調整について指揮官は「ここまで全てのチェック項目をクリアしている」と太鼓判。今後の課題には、ここまで最速95マイル(約153キロ)の「球速を上げること」と「変化球を打者に投げること」の2つを挙げた。DHで出場しながらの調整という前代未聞の挑戦に「しばしば驚かされる。今ではそれが当たり前のように感じるが、冷静に考えると実に驚異的だ」と笑った。その一方で、マイナー登板の予定もなく「特殊な状況で青写真はない」と、首脳陣も手探りであることを明かした。

 25日は金慧成、ラッシングらが打席に立つ見込み。誰も通ったことのない道を突き進みながら、後半戦の二刀流復帰を目指していく。

(安藤 宏太)

 〇…この日の敵地・メッツ戦は「1番・DH」でフル出場したが、先発左腕・ピーターソンに3三振を喫するなど4打数無安打に終わり、打率が2割9分6厘で8日以来となる3割切りとなった。ロバーツ監督はメッツ左腕の投球に「特に左打者は苦しめられた」と脱帽。4戦連続で本塁打なしと当たりは止まっているが、25日のメッツ先発は千賀で、今季は初対決となる。

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