◆パ・リーグ ロッテ0―8西武(25日・ZOZOマリン)
あれから1年、西武の快進撃だ。両リーグトップとなる今季11度目の完封勝ちで、首位・日本ハムに0・5ゲーム差と最接近した。
昨年の45試合消化は1日遅い5月26日。15勝30敗の借金15で最下位に低迷し、松井稼頭央監督の休養が発表された。西口文也監督(52)は「(順位は)まだ気にせず一つ一つ勝利を目指して頑張っていくだけ」と気を引き締めたが、とにもかくにも首位をうかがえる位置にいる。
先発・隅田は6回7安打無失点でリーグ単独トップの6勝目。「無失点で終えられたのは良かったが、反省点だらけ」と言いつつも粘り切った。援護はベテランにお任せだ。4回、選手会長・外崎の12試合ぶりの打点となる中前2点適時打で先制。7回2死満塁では源田が左越えに走者一掃の3点適時二塁打で突き放した。「ベテランが打ってくれると、チームが盛り上がる」と指揮官も目を細めた。
歴史的低迷からの立て直しの象徴の一つに投手力の改善がある。
隅田を始め、リーグトップの防御率0・65を誇る今井、昨季0勝11敗からの復活を遂げた高橋ら先発が盤石。今季からリリーフ再転向した守護神・平良のほか、14試合連続無失点投球を続ける山田らも中継ぎで台頭。指揮官の掲げる「守り勝つ野球」が浸透し、勝利の「型」ができている。
昨年4勝21敗と惨敗したロッテに今季は6勝4敗でうち5勝が完封。シーズンはまだ序盤だが、外崎も「去年より先制点を取る回数も多くて、ピッチャーの頑張りもあって投打がかみ合っている」。変化を肌で感じている。生まれ変わった西武が、パ・リーグを面白くする。(大中 彩未)