◆JERA セ・リーグ 巨人5―2ヤクルト(25日・東京ドーム)

 ペナントも3分の1を消化して7登板目で戸郷がようやく初勝利。内容は、まだまだだけれど投手にとって一番の良薬は白星。

相手が連敗中のヤクルトということにも助けられたとはいえ、どこに勝とうが1勝は1勝。大きな勝ち星になったよな。

 まだまだ、というのは本調子の時に比べてのことよ。過去6戦よりは、少しマシになったものの真っすぐは高めにいくし、3回にサンタナに右前安打された、この日最速タイの149キロはシュート回転で中に入ってきたからヒットになる。

 そしてフォークは見逃されるケースが多かった。それは体に粘りがないからなんだ。変化球を投げる時はどこかで一呼吸、体が止まるんだよ。それによって腕が体より遅れて出てくる。腕が遅れることで指にかかってフォークが落ちるんだ。体と腕が一緒では見極められて空振りが取れない球になってしまうのさ。

 どうすればいいかって? 短いダッシュを繰り返して体のキレと粘りを取り戻すんですよ。

 赤星や山崎が頑張ってくれてはいるが、優勝には戸郷の働きが絶対条件。

良薬をきっかけに完全な戸郷に戻ってくれることを祈りたいね。(スポーツ報知評論家・堀内 恒夫)

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