◆パ・リーグ 楽天1―1日本ハム=延長12回=(25日・楽天モバイル)

 日本ハムは25日の楽天戦(楽天モバイル)で、延長12回の激闘の末、1―1の引き分けに終わった。先発の細野晴希投手(23)がプロ最長の7回を投げ、同最多の98球で1失点と力投。

しかし、味方の援護はわずか1点で、昨季から4度目の登板でも初勝利とはならなかった。登板を重ねるごとに進化する23年のドラ1左腕が、次こそ悲願の1勝をつかみ取る。

 細野はクールに投げ抜いた。7回2死、太田を三ゴロに仕留め、表情を崩さずにベンチに戻った。プロ入り最長の7回、最多の98球を投げ3安打5奪三振で1失点。「前回空振りを取れなかったフォークで空振りも取れた。点を取ってもらった次の回を3人で終われたのが良かった」と収穫の多いマウンドを振り返った。

 同期で同学年の女房役の言葉にも助けられた。前回登板の5月15日のオリックス戦(エスコン)に続き、進藤がマスクをかぶった。立ち上がりは思うように制球が定まらず、2回終了後、ベンチで「まとめにいこうとしすぎているからもっとファウルを打たせるようなイメージで」と助言をもらった。3回以降は、「思い切って投げることができた」と最速149キロの直球を軸に、無四球で7回を投げ抜いた。

 前回登板の反省も生かした。

15日のオリックス戦(エスコン)では無失点の好投も、5回終了時に足をつるアクシデントもあり6回で降板した。今回は試合前と3回終了時にマグネシウムを摂取して対応。足もつることなく乗り切った。

 新庄監督は「いいです。いいの一言」と短い言葉で絶賛。加藤投手コーチも「ストライクをどんどん投げてくれるし、素晴らしかった」と高評価だ。細野自身は「ゾーンにいっている球では勝負できている。打たれるまではこれを続けていきたい」と手応えを口にした。今後はいったん抹消される見込みだが、1軍に帯同し、次戦に備える。成長を続ける期待の左腕が今度こそ白星を挙げ、ファンと喜びを分かち合う。

(川上 晴輝)

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