第64回春季全道高校野球大会が26日、札幌円山球場で開幕する。25日の公式練習は雨天中止になり、出場校は自校施設などで調整した。
立命館慶祥の頼れるリードオフマンが完全復活だ。1年春から道大会の舞台を数多く経験してきた横谷は「もう痛みはない。地区予選よりも状態は上がってきている」とうなずいた。
驚異的な回復力でグラウンドに戻ってきた。3月下旬、和歌山遠征中にバッティング手袋が入らなくなるほど右手が腫れた。診察を受けた結果、右手有鉤(ゆうこう)骨骨折が判明。「見たことのない手の形だった。(春は)間に合わないかな」と少しでも復帰を早めるため、覚悟を決めて4月1日に手術を行った。電気や超音波治療に加え、友人宅にある酸素カプセルに毎日入り、5月初旬からバットを振り始めた。
地区予選は背番号19でベンチ入り。
4強入りした23年春の全道1回戦・駒大苫小牧戦で逆転打を放ち、鮮烈な高校野球デビューを果たした。昨夏は同校史上初の南大会決勝進出にも貢献。「入学前はここまで上の舞台で戦えるとは思っていなかった。あそこまでいくと、あともうちょっと頑張れば優勝できるという思いはある。夏につなげるためにも春全道で優勝したい」。立命館慶祥の安打製造機が、頂点を目指すチームに勢いをつける。(島山 知房)