ナインよ、熱くなれ―。巨人の阿部慎之助監督(46)が26日、スポーツ報知のインタビューに応じ、現在の心境を明かした。
巨人は現在、今季最長の5連勝中。この5試合で明らかにヘッドスライディングする選手が増えた。勝率5割で迎えた21日の阪神戦(甲子園)の試合前、阿部監督は選手に「熱い気持ちを持っていこう」と声をかけ、気迫むき出しで連敗を止めた。翌22日の阪神戦前のミーティングでは、さらに力強い言葉を贈った。
「『もっと熱い気持ちを持っていこうぜ』っていう話をして。昨日以上にだって。体を動かすのも心。よーし、やってやるぞみたいな。
甲子園で連勝後、25日までヤクルトに3連勝。浅野、中山、門脇らが球児のように泥臭く、がむしゃらに食らいつき流れを好転させた。4連敗で迎えた16日の中日戦(東京D)からは、陽気なウィーラー巡回打撃コーチが通訳として9試合連続ベンチ入りし、その間7勝2敗。円陣で声出しするなど雰囲気を変えた。
「そうそう。(負けたり失敗したりすると)チーンってなる子が多いから。あと、ウィーラーにはエリちゃん(ヘルナンデス)に声を出させろって言ってる。打てないとショボーンとしてるから。周りの若い選手にも良くない。『お前が打席に立ってる時、みんな応援してくれてるんだぜ』って言って。チームメートを応援しようって。チームでやっているわけだから」
不動の4番・岡本が左肘じん帯を損傷。
「『ベースボールじゃなくて野球も多少は覚えようね』って言って。ゴロを転がせばいいケースもブンブン振っちゃうから。もちろん、それを求めてるんだけど、追い込まれたらコンパクトにいこうぜって。バット短く持ったり工夫する姿勢は見せてくれているから、状況判断できればね」
チャンスでの打撃、考え方という点では若手野手にも同様のことが言える。
「真っすぐ狙いで、ど真ん中の変化球を見逃しちゃう。そこで切り替えができず大振りしてしまう。0か100だけじゃ打つのは難しいよ。『あとは最低限これをやらなきゃ』じゃなくて、『最低限これをやればいいんだ』と思って打席に入れるか。得点圏の打撃がみんなテーマだけど、メンタルだと思うよ」
岡本や丸、打撃不振の坂本や長野を欠きながら貯金5。泉口、浅野、中山、門脇ら積極起用する若手に伝えたいことがある。
「勇人さん、長野さん、丸さんが近い将来いなくなった時、このメンバーでやっていくんだぜって。
開幕当初は序盤はガンガン打つ攻撃野球を掲げていたが、岡本不在で大量点が望めない今、バントなどを使って1点を取りにいく野球も増やす。先制すれば22勝5敗の好データもある。
「先制点をどう取りにいくか。だからスクイズも出した。何でもやるよ。もう一回、自己犠牲というのをしつこく言っていく」
投手では、チームを支える鉄壁ブルペンを、先を見て無理なく柔軟に運用する。
「中継ぎ陣がみんな20試合くらい投げているから、リフレッシュ期間を作ることも考えている。夏場以降を乗り切るために、梅雨の間に走り込んで体調を整えてもらうとか。目の前の試合を勝つことも大事だけど、長いシーズンを考えてやっていきたい」
岡本離脱後、9勝7敗。全員で一致団結して逆境に立ち向かっている。
「よくこの成績で持ちこたえているなと。
この日は27、28日の広島戦に向けて新幹線で富山入り。27日の結果次第では8日以来となる首位に浮上する。一戦必勝で熱く必死に白球を追う。その先に明るい未来が待っていると信じて。