◆春季北海道高校野球大会 ▽1回戦 札幌大谷7―2苫小牧中央(27日・札幌円山)

 9年ぶりの優勝を目指す札幌大谷が苫小牧中央に勝利し、2年ぶりの8強入りを決めた。7番でスタメン出場した矢野秀三塁手(1年)が攻守で勝利に貢献した。

 打撃では、6回1死二塁の好機で「絶対に打ってやる」と打席へ。カウント1ストライクから直球を中前へはじき返し、全道初安打、初打点をマークした。三塁の守備でも軽快な動きで5度の守備機会を無失策。5回2死満塁、一打同点のピンチでは三遊間の痛烈な打球をダイビングキャッチし、失点を阻止した。

 82キロのたくましい体格で、ベンチプレスは中学3年冬に95キロを持ち上げた。札幌地区予選2回戦の札幌国際情報戦では、国内最大級の広さを誇る(両翼101・5メートル、中堅122メートル)札幌モエレ沼公園野球場で公式戦初本塁打。改修後、今春から供用開始となった同球場の第一号本塁打を左翼スタンドにたたき込み、早くも1年生離れしたパワーを見せつけている。

 父・淳司さんは北海高校OBで、1992年夏の甲子園に出場。今年の冬はレベルが上がる高校でのプレーに向け、父と1日1000本の素振りを繰り返してきた。元メジャーリーガーのバリー・ボンズ氏に憧れるルーキーは「春の大会は先輩を助けられる選手になって、ホームランを1本打てれば」。少年野球の名門・東16丁目フリッパーズではファイターズジュニア、札幌大谷シニアではU15北海道選抜でもプレーした逸材は、モエレ沼に続き円山一号も虎視たんたんと狙っている。

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