◆東都大学野球春季リーグ戦最終週最終日▽亜大1―0日大(27日・神宮)

 亜大の3投手が、日大を相手に継投でノーヒットノーランを達成した。先発のエース右腕・斉藤汰直(たいち、4年)が5回、最速154キロ左腕・山城京平(4年)が2回1/3、今季5勝の井上悠(3年)は1回2/3を無安打投球。

それぞれ1四球を与えたのみだった。連盟の公式HPには、2投手による継投でのノーノーは過去に2例記されているが、3投手は例がない。リーグ戦は全日程を終了。敗れた日大は、勝ち点0で最下位が決まった。

 今秋ドラフト上位候補に挙がる斉藤と山城に、ラッキーボーイの井上。試合後の会見で、笑顔が3つ並んだ。山城は「試合中は(無安打を)意識していなかったが、よかった。斉藤が頑張っていたので、何とか抑えたかった」と安堵(あんど)の表情を見せた。

 それぞれが思いを持って臨んだ最終戦だった。斉藤は22日の1回戦で先発したが、6回途中4失点で逆転負けを喫した。「借りを返さないと、自分のプライド的に悔しい」。先発を志願し、140キロ台後半の直球をビシビシ低めに決めた。

 山城と井上は、内容次第で防御率1位になる可能性があった。先輩を立てた井上が「(タイトルは)山城さんに」と周囲に伝え、山城優先の継投に。2回1/3を抑え、トップに浮上したところで井上にバトンタッチした山城は「いい後輩だな」と感謝した。

 勝ち点4の2位。第4週の青学大戦で優勝まで「あと1勝」としながら、頂点に立てなかった。「青学大には、ここという試合を1―0で勝つ中西君がいる。こちらは束になってかかっていくしかない」と正村公弘監督(61)。亜大の“3本の矢”にとって、この日の「ノーノー」は、より結束を強め、秋への弾みになるはずだ。(浜木 俊介)

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