◆JERA セ・リーグ ヤクルト2―1中日(27日・神宮)

 ヤクルト・石山泰稚投手(36)が偉業を成し遂げた。2―1の9回2死一塁。

上林をスライダーで空振り三振に仕留め、グラブをたたいた。「本当にほっとした気持ちしかないです。勝ってよかった」と、勝利の喜びをかみ締めた。史上38人目の通算100セーブ達成。プロ野球通算100ホールドとのダブルレコードは史上9人目、球団初となる快挙。36歳8か月での達成は史上最年長となった。

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 石山と同じ88年世代には、既に名球会入りを果たしている巨人・坂本や日米通算200勝にあと2勝に迫る田中将、同165勝の前田(カブス傘下3A)ら、そうそうたる顔ぶれが並ぶ。

 石山は大学、社会人経由で、高卒でプロ入りした“先輩”たちと比べて「僕なんかが語れませんよ」と、少し負い目を感じることもあったようだが「高卒で先にプロの世界に入って記録をつくるというのはすごいこと。坂本は2000本打って、マー君も200勝となれば本当に尊敬する」と同世代のニュースを励みに13年のキャリアを重ねてきた。

 それでも心の底には「やっぱり負けたくない」という気持ちの強さがあったからこそ、36歳で守護神に返り咲けたのだろう。通算100S100Hは9人しか達成していない誇れる勲章。堂々と胸を張ってほしい。

(ヤクルト担当・長井 毅)

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