◆JERA セ・リーグ 巨人1―2広島(27日・富山)

 巨人が広島に競り負け、連勝が5でストップした。中5日で先発した井上温大投手(24)は7回を投げ、今季自己最多の111球で7安打2失点。

敗戦投手にはなったが、セットアッパーの大勢が遠征に帯同しなかった中で、今季9試合目の登板で8度目のクオリティースタート(QS=6回以上自責3以内)と粘りを見せた。打線は1点を追う9回に今季初出場となった丸佳浩外野手(36)が代打で安打を放ち、チャンスを作ったが1点が遠かった。金沢に場所を移す28日の第2戦、連敗は避けたい。

 富山のG党の声援を力に変えて、井上は左腕を思いっきり振った。1点ビハインドの7回1死一塁で代打の上本を迎えた。カウント1―1から、外角スライダーを引っかけさせて三ゴロ併殺に打ち取った。うなずきながら、勢いよくベンチへ駆けた。

 慣れないマウンドでもしっかりと試合をつくった。球がバラつき、ボール先行となる場面も目立ったが、最速149キロの直球にスライダー、フォークなどを織り交ぜて、7奪三振。4回2死満塁で小園にスライダーを右前へ運ばれて、先制の2点適時打を許したが、大きく崩れることはなく、中5日でも7回まで投げきった。「地方球場はお客さんの声が投げていてすごい聞こえるので力になりました」と感謝した。

 7回、今季最多の111球を投げ、7安打2失点の熱投。

9試合先発して8度目のクオリティースタート(QS=6回以上自責3以内)を達成した。「結果的に見たら7回2失点なんですけど、勝つためにはピンチの場面で粘り切らないと、チームに勝ちをつけることができないと思います」。今季4敗目を喫し、チームの連勝も5で止まったとあって満足はできない。それでも阿部監督も「よく粘って投げてくれた。無駄な四球からの失点をなくしていけば勝てるんじゃないですかね」と評価した。

 目標としていることがある。「オールスターに選ばれたいです!」。群馬・前橋商時代には練習帰りに温泉に寄って、待合室でテレビで見ていた思い出があるという球宴の舞台。「めっちゃぜいたくやな~って思いながら見てましたね。特注でスパイクとか作ってもらえるじゃないですか! (昨年の)伊織さんとかめっちゃ格好良かったですもん」と目を輝かせる。今季のファン投票の中間発表では、8461票を獲得して先発部門で10位にランクインしている。もちろん今季の出場も諦めてはいないが、来年の球宴は富山で開催される。

さらに成長した姿で戻ってくる。

 チームは大勢をリフレッシュのため、富山遠征には帯同させず、ベンチ外とした。阿部監督の頭の中には、井上が長いイニングを投げてくれる期待もあったはずだ。「次の試合は絶対に自分に勝ちをつける投球をしたいと思います」と背番号97。左のエースとして文句なしの投球で次戦はチームにも自身にも勝ちをつける。(水上 智恵)

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