◆日本生命セ・パ交流戦 2025 阪神8―1ロッテ(18日・甲子園)

 確かな手応えを感じながらも、阪神・佐藤輝明内野手(26)は真っすぐに走り出した。6―1の8回2死二塁。

ロッテ・ゲレーロの160キロを完璧に捉えた。バックスクリーン左に飛び込むダメ押しの19号2ラン。7連敗脱出を決定づける打球速度171キロの豪快弾に、甲子園は揺れた。22年の交流戦でも本塁打を放った助っ投からの一発に「楽にいきました。(3年前を)覚えていたので、また打てて良かった」と胸を張った。

 もやもやしていた。15日の楽天戦(楽天モバイル)。同点の延長11回に右中間に大飛球を放って思わず“確信歩き”したが、まさかのフェンス直撃の単打となり、一塁上で悔しさをあらわにした。この日はスタンドインを確認するまで、しっかりと走り切った主砲。チームも7連敗中に1試合平均2得点と苦しんでいた中、幾多のうっぷんを晴らすような快音を響かせた。

 森下、大山にも適時打が生まれ、クリーンアップ3人が打点を挙げれば引き分けを挟んで19連勝だ。試合前時点で水曜日は曜日別勝率ワースト(2勝6敗)だったが、“鬼門”も突破した。

「一体感も出た。今日の姿をまたあした以降も見せてほしい」とうなずく藤川監督に、佐藤輝も「またあした頑張りたい」と呼応した。8戦ぶりの8得点。藤川阪神再発進のフィナーレは、やはり背番号8だった。(直川 響)

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