◎「第56回日本少年野球選手権大会」大阪中央支部予選(15日・荒本球場)◆中学生の部 ▽準々決勝 東大阪布施ボーイズ2-1藤井寺ボーイズ

 大阪中央支部予選の準々決勝で東大阪布施は春季全国大会出場の強豪・藤井寺に逆転勝利した。

 自らのバットで奪った1点リードを、マウンドで守り切った。

最終回を3者凡退に抑えた瞬間、康本は叫び、全身で喜んだ。グラウンドの野手も飛び跳ね、ベンチのナインも飛び出す。白熱の105分間の戦いを制したのは下馬評不利の東大阪布施だった。

 春季全国大会出場の藤井寺は、夏も本命。そんな強豪に必死で食らいついた。先発の石黒は初回先頭の与四球以降は、交代まで無四球と隙をつくらない。バックも初回1死二塁、2回1死三塁、4回1死三塁を守り切った。5回に連打で1点を許したが、なお2死二、三塁では強烈な一ゴロを西尾が堅守。両チーム無失策の緊張感を耐え忍んだ。

 康本が救援した6回も、1死二、三塁を無失点。再三のピンチをしのいだことが、激勝を生む。その裏、先頭・辻の左前打から1死満塁とし、康本が右前へ逆転の2点打。

ガッツポーズの左打者は「自分に回って来いと思っていた。真っすぐだけ狙っていた」と興奮ぎみに振り返った。

 本格派右腕・石黒も“メークミラクル”の殊勲者だ。「大事な試合に先発で行かせてくれた。2回から真っすぐが走るようになり変化球も切れた」。5回1四球5奪三振。5安打されたが強力打線を1点に抑えた。さあ、4強。このメークドラマには、まだ続きがある。

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