阪神・佐藤輝明内野手(26)が24日、スポーツ報知の単独インタビューに応じ、本塁打量産の要因を激白した。今季は出場69試合で打率2割7分9厘、両リーグ断トツの19本塁打、同トップタイの49打点。
今年の佐藤輝は、ひと味もふた味も違う。21、23年の自己最多24本塁打を大きく上回るペースで、豪快なアーチを量産している。交流戦でもトップの6本塁打。課題だった好不調の波も少ない。
「今までで一番、考えていることと、できていることが一致している。打率も、ホームランも、いい感じ」
昨季は不振で2軍降格を味わうなど、自己最少の120試合出場で同最少の16本塁打。リーグ連覇もかなわず、二重の悔しさを経験し、現状を打破するためフォーム改造を決意した。
「軸足(左足)に(体重を)残しすぎないフォームを意識している。今もちょっとあるけど、(バットを振り出す際に)左肩が出てきてしまうのが、去年までの悪い特徴だった。
昨オフから取り組んできたテイクバックを小さく、右足をほぼ上げずにステップする形も、良い効果を生んでいる。全てが連動し、中堅から左翼方向に伸びる打球にもつながっている。
「ステップの幅を広げたくないというのがある。広くなると目線のズレもそうだし、手も(体から)離れていっちゃう癖もあった。去年から大きく変えたうちの一つ。いろいろ考えて、今これに行き着いている」
米ドジャースの大谷翔平やフリーマン、フィリーズのハーパー…。MLBで活躍する同じ右投げ左打ちのスターたちを参考にするスタイルは不変だが、その考え方は少し変わってきた。
「メジャーのピッチャーと日本のピッチャーは違う。向こうのバッターは軸足にも(体重を)乗せず、構えからそのままイチ、ニで打つバッターが結構多い。
開幕は「3番・三塁」で迎えたが、現在は「4番・右翼」。交流戦を終え、2位のDeNAと広島に3・5ゲーム差をつけて首位を走るチームには、頼れる主砲が君臨している。球団では86年のバース以来、39年ぶりとなる本塁打王への期待も高まるが、最大の目標は2年ぶりのリーグ優勝奪還。27日のヤクルト戦から再開するリーグ戦を前に、佐藤輝は藤川監督への思いを明かした。
「常に選手のことを気にして、普段から声を掛けてくれる。僕が打てないときとかも『気にするなよ』と言ってくれるし、その言葉が大きい。失礼かもしれないけど、勉強しながら、いい方向にいくように考えながらやっているんだなというのが伝わってくる。そうやって、いい方向に引っ張っていってもらえたら僕たちもやりやすい。それに、しっかり応えられるようにやりたい」
◆佐藤 輝明(さとう・てるあき)1999年3月13日、大阪・大東市生まれ。26歳。
〇…佐藤輝は24日、今春キャンプでも使用したクリケットバットで打撃練習し、手のひらより少し大きい、ミニサイズの練習用グラブでノックを受けた。大谷と同様に打席に入る前、素振りに似た動作で体の動きを以前から確認していることについて「体を回してからバットが出るイメージ。