◆日本生命セ・パ交流戦 2025 ロッテ6―4巨人(24日・ZOZO)
左翼手の頭上を越える打球を、悔しげに目で追った。西舘勇陽投手(23)は責任を重く受け止めた。
交流戦2戦2勝と結果を残し、つかんだ同最終戦のマウンド。2回までにもらった3得点をすぐに吐き出した。制球が定まらず3回終了時で既に70球。最速152キロの直球とカットボールが要所で甘く入り、4回以外は毎回得点圏に走者を背負った。「打たれているのは(捕手の)構えより甘いところ。投げきれなかった自分の実力のなさ」。
勝っていれば、日本ハム・加藤貴と並ぶ3勝目で、母校・花巻東の先輩である15年菊池雄星(西武)、16年大谷翔平(日本ハム)らも成し遂げた交流戦“最多勝”に輝けた。「最少失点じゃなく、大量失点になったのがダメだった」と悔いたが、1番・藤原との対決は3打数無安打1K。高校2年春のセンバツ準々決勝・大阪桐蔭戦では、初めて立った甲子園のマウンドで藤原ら擁する「最強世代」に3回持たず7失点。「こういう選手を抑えていかないと、上のレベルには行けない」。悔しさがプロ入りへの原動力となっただけに、1軍での再戦で一つ雪辱した。
強打のソフトバンク、日本ハム相手に2連勝と交流戦期間に能力の高さを示した23年ドラ1。杉内投手コーチは「頑張ってくれた。監督も期待してると思う」と今後もローテで回すと明言し、西舘も「課題をなくして万全の状態で次に」と前を向いた。この悔しさは、27日から再開するリーグ戦にぶつける。(堀内 啓太)