◆パ・リーグ 楽天2―5日本ハム(19日・楽天モバイル)
右手でグラブをたたき、ほえた。日本ハム・伊藤大海投手(27)は7回2死一、二塁、123球目、こん身の151キロで小郷から見逃し三振を奪いピンチを脱した。
昨季は14勝で最多勝。プロ入り5年で4度目の2ケタ勝利を達成した右腕の練習は、創意工夫にあふれている。その一つが“塗り絵ボール”だ。「変化球の回転を確認するため」と練習球の一部分を黒く塗りつぶしたり、ラインを入れたりしている。「(黒い部分が)ブレて見えると回転もブレている。小さく見えるときは、いい回転」。苫小牧駒大時代にも行っていた練習法で「(投球計測機器の)ラプソードを使ってもいいけど、視覚的にすぐ分かるから正解までが早い」と用具担当に許可を得て、自らボールを塗りつぶす原始的な方法で変化球の精度向上を図っている。
この日は自慢のスプリット、スライダーなどで7三振奪ったが、11安打を許して7回で降板。新庄監督は「完投できなかったのは本人のミス。完投王国の一員としては反省してもらわないと」と今季4完投のエースにさらなる高みを求めた。
記録メモ 伊藤(日)が両リーグ10勝一番乗り。前身を含め、球団で両リーグ最速10勝は、09、11年の2度記録したダルビッシュ有をはじめ、15年大谷翔平以来9人目10度目。過去、8人のうち、最多勝は大谷1人だけだ。