◆JERA セ・リーグ 巨人1―2阪神(20日・東京ドーム)

 もうカード負け越しが決まってしまった。成熟している阪神、発展途上の巨人。

ひとことでいえば役者の違いだろう。近本から大山まで並ぶ阪神打線は、打撃の多くの部門で上位に顔を出している。四球の数ひとつとっても、歴然としている。

 巨人は必死に防戦はしている。守るところは守り、手も打とうとしているが、なかなか攻撃に転じられない。4回無死一、二塁では小林がバント失敗。「何とか決めてくれ」というベンチの心の声が聞こえてくるようだった。

 経験が不足している若手が多く、オーダーを組むのもひと苦労だとは思うが、自分なら打撃のいい中山を1番に据え、今一番頼りになる丸を4番に持ってくる。丸を1番のままにして下位打線でつくるチャンスに期待するより、得点機で回る可能性も高まるのではないか。2番・吉川、3番・泉口と並べ、岸田、増田陸、荒巻を状況に応じて5番にするのも選択肢だろう。

 若手は負けることや失敗に、内心おびえ出しているんじゃないかと思う。こういう時に「失敗を恐れず、勇気を持ってやろう」と呼びかけられるのは、首脳陣ではなく、前線に立っている選手しかいない。

坂本なのか、長野なのか。誰かが若手から重荷を取り除いて、雰囲気を変えてほしいね。(スポーツ報知評論家・高木 豊)

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