◆全国高校野球選手権静岡大会 ▽3回戦 東海大静岡翔洋4―3常葉大橘(20日・ちゅ~る)

 3回戦8試合が行われ、16強が出そろった。東海大静岡翔洋は4番・大村泰輝一塁手(3年)が8回の同点打に加え、決勝点を生む“神走塁”を見せ、常葉大橘に4―3で逆転勝利した。

4回戦8試合は22日に行われる。

 絶対を覆した。同点の8回2死、東海大静岡翔洋の二塁走者・大村は、平野天磨右翼手(3年)の打球が左前に抜けると三塁を蹴った。ホームの数メートル手前で送球は捕手のミットに。完全にアウトのタイミングだったが「あそこで(ホームに)かえらないと終わる」と、左に跳んでタッチをかいくぐり、最後は右手でかすめるようにホームイン。“神走塁”で決勝点をもたらし、「うれしすぎて気を失いそうだった」と、ど派手にほえた。森下倫明監督(60)も「よく行った。野性的本能でしょう」と拍手した。

 6回を終えて2点のビハインド。7回途中からは県屈指の左腕・秋山創大(3年)が登板する厳しい状況だったが「ピッチャーのレベルが上がると燃える」。ドラマが生まれた8回は同点打も大村だった。敵失で1点差とし、1死二塁で直球を捉え左前に運んだ。

今週は平野との居残り素振りが日課で、秋山の動画を流してイメージを膨らませながらバットを振り込んできた。「(決勝打の)平野と2人で決められて良かった」。出塁後は50メートル6秒1の足を生かして二盗成功。そして、忍者のような走塁で勝負を決めた。

 4回戦は昨秋、今春と敗れているセンバツ出場校の常葉大菊川が相手となる。「両試合とも自分がチャンスで打てなくて負けた。次に懸ける思いは強い」と大村。縦ジマ対決でも再び主役を張る。(武藤 瑞基)

 ★常葉大橘・秋山創大投手(エースは7回途中から登板も2点リード守れず)「気持ちで負けた。大学でも野球を続け、自分の投球ができるようになりたい」

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