◆第107回全国高校野球選手権北北海道大会 ▽準決勝 旭川志峯2―1帯広大谷(21日・エスコン)
準決勝2試合が行われた。旭川志峯は、1点ビハインドの8回に2番・上田翔也右翼手(3年)の同点打などで2点を奪い逆転。
極限の緊張感の中で、旭川志峯・上田は必死にバットを振った。1点を追う8回、2死二塁と同点のチャンス。「緊張して、ほぼ覚えてない(笑)。真ん中高めの真っすぐです。真っすぐに張ってました」。高めに来た119キロの変化球をはじき返す、同点の中前適時打。3回には好機で三振に倒れ、前の打席はバントを失敗していた。追い込まれ、打った球も分からないほどの極限状態の中で結果を残し、笑顔がはじけた。
序盤から試合の流れをつかめず、7回まで無得点。リードを奪われた後の6、7回には3つのバントミスを犯すなど、流れが悪かった。ここで山本博幸監督(45)が選手に伝えたのは、「気合と根性!」の一言。
同点の二塁走者・中村寧央一塁手(2年)の本塁突入は、相手が前進守備の中で無謀にも見えたが、捕手がボールをこぼしセーフに。中村は「迷いはありませんでした。気持ちで突っ込んでやろうと」と笑った。続く億貞壮汰遊撃手(2年)の決勝内野安打も、一塁へのヘッドスライディングでもぎとった。山本監督は「(気合と根性?)間違いないですね。目に見えない何かが」とうなずいた。
校名変更後初となる3年ぶり甲子園に王手をかけた。過去、決勝には11度進み10勝1敗で現在8連勝中だ。上田は「決勝もこのような試合になると思う。最後まで気を抜かず、勝ち切る気持ちでやりたい」と引き締めた。「ここまで来たら、気合と根性しかないと思っているので、どこまでついていけるか」と指揮官。