◆第107回全国高校野球選手権 静岡大会 ▽4回戦 御殿場西6―0掛川西(22日、ちゅ~る)

 昨夏甲子園出場の掛川西は御殿場西に0―6で敗れ、連覇を逃した。聖地を経験したプロ注目の石川大峨内野手(3年)は、7回2死無走者で代打として今夏初めて打席に立った。

初戦直前に左手有鉤(ゆうこう)骨を骨折していた187センチの右の長距離砲は、捕邪飛に倒れたものの力強いスイングを見せた。「本来だったら出場はできなかったと思います。悔しい結果にはなってしまいましたが、大石先生や周りの方々の支えだったり、野球部の仲間には本当に感謝し尽くせないです」。完治には至っておらず、その後の守備にはつかなかったが、これまでの試合のように三塁コーチャーや伝令役を務めてチームを支えた。

 今後の進路については「プロ1本で目指しています」と力を込めた。「まずは、ケガを治してレベルの上がったステージでも野球ができるように日々の練習に励んでいきたいです」。大石卓哉監督も「もう少し彼の打席を見たかったのですが、次は上のステージで頑張って欲しい」とエールを送った。

 チームは昨夏、1998年以来26年ぶりに夏の甲子園に出場して、夏では60年ぶりの勝利を挙げた。この日は御殿場西の杉本迅投手(3年)に3安打と抑えられたが、甲子園経験者の佐藤駿斗捕手が2安打。昨夏の全国舞台2試合で打率6割6分7厘を残した鈴木脩平二塁手は3打数無安打と奮わなかったものの、主将として仲間に声をかけ続けた。

 指揮官は「先制点を取られたことで硬くなってしまった。杉本投手のボールに押されてしまった。

完敗です」と受け止めつつも「甲子園に出た選手たちは、本当に最後までチームを鼓舞してくれて、引っ張ってくれた」と選手たちの奮闘をたたえた。(伊藤 明日香)

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