◆第107回全国高校野球選手権大阪大会▽5回戦 豊中7―3千里青雲(22日・豊中ローズ)

 大阪北部に位置する公立校同士の対決は、豊中に軍配が上がった。2021年の八尾以来となる公立校の8強進出。

2年生右腕・猪崎悠太郎が6回1失点の好リリーフを見せた。

 4回表に2―2の同点に追いついたその裏、2回と3回に1点ずつ失っていた先発の石田昴大(3年)に代わって猪崎がマウンドへ。「あるぞ、というのは自分でも分かっていた。役割を果たそう」と、走者を許しながら無失点で流れを呼び寄せる。5回には3連打を浴びながら最少失点で踏ん張り、直後に味方が4得点。逆転につなげた。「ピンチになっても切り抜けたりする場面が多くて、応援も大きくなって流れがつくれた」と、7回以降は3イニング連続で3者凡退でピシャリ。最後の打者を三振に仕留め、右拳を強く握りしめた。多くのOBが詰めかけたスタンドも味方につけ、「自分たちの試合で感動させられたことがうれしい」と、笑顔で試合を振り返った。

 エースナンバーを背負う石田との信頼関係が、互いの投球を支えている。「いつも『僕がいるんで任せてください!』という感じですし、逆もしかり。そこは変わりないですし、石田さんも信頼して任せてくれたんじゃないかな」。

縦関係をあまり感じさせない振る舞いに、「先輩」よりも「仲間」という意識が強いと明かす。そんな“兄貴分”と戦う最後の夏。「来年があるとか、そういうことじゃなくて。このチームとしてできるのはこの夏で終わり。後悔のないように。ベスト4は高い壁かもしれないが、やってやるぞという気持ちだけです」と、東海大大阪仰星も投手陣一丸で迎え撃つ。

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