◆米大リーグ エンゼルス7x―6ドジャース=延長10回=(12日、米カリフォルニア州アナハイム=エンゼルスタジアム)
ドジャース・大谷翔平投手(31)が12日(日本時間13日)の敵地・エンゼルス戦で「1番・DH」で先発出場し、“三重苦”を味わった。6回に放った遊直でメジャー初となる三重殺を食らうと、9回には4戦連発となる一時勝ち越しの43号ソロを放ちながら、その裏追いつかれ空砲に。
大谷もぼう然と立ち尽くすしかなかった。5―5で迎えた6回無死一、二塁。外角直球を捉えて、痛烈な当たりをセンター方向に返した。中前安打かと思いきや、“大谷シフト”で二塁ベース付近にいた遊撃ネトの正面を突いて遊直。そのまま二塁ベースを踏み、一塁に送球されると、一塁走者のラッシングが戻りきれず、一打勝ち越しの絶好機が一瞬で3アウトチェンジとなった。ネトが「今までYouTubeやTikTokでしか見たことがない。最高の打者を相手に決めたのは特別だよ」と大興奮の三重殺。大谷にとっては初めて味わう屈辱だった。
“悲劇”はこれだけでは終わらなかった。
キング争いでは、シュワバー(フィリーズ)を抜いてリーグ単独トップに。MLB公式サイトのサラ・ラングス記者によると、1試合で三重殺&9回または延長戦に勝ち越し弾は、62年のW・デービス(ドジャース)、00年のH・ロドリゲス(カブス)以来3人目の珍記録という。今月は全11試合で安打を記録し、5発6打点、打率4割3分9厘と絶好調な一方、チームは5勝6敗と苦戦を強いられている。
同じロサンゼルスに本拠地を置くエ軍との「フリーウェーシリーズ」で今季5戦5敗。パドレスが勝ち、気がつけば7月3日(同4日)時点で最大9ゲームあった差もきれいになくなった。6月14日以降、固持していた単独首位の地位を失い、ロバーツ監督は「全員がフラストレーションを抱えていて、状況が自然に良くなることはない。
◆三重殺メモ
▽日本人3人目 日本人選手で三重殺を打った打者は、06年5月27日の城島(マリナーズ)、20年7月29日の秋山(レッズ)に続いて3人目。城島は満塁で二ゴロ。一塁走者にタッチ、一塁へ送球して2つのアウトを奪うと、三塁をオーバーランしていた二塁走者もタッチアウトになった。秋山は満塁から三直で走者が飛び出し、三塁手が三塁を踏み、一塁へ送球して完成。ワンバウンドしているようにも見えた“疑惑の判定だった”。満塁以外では大谷が日本人初となる。
▽ドジャースでは ド軍が食らうのは、昨年9月24日の本拠地・パドレス戦以来。同試合では9回に「5―4―3」で決められてゲームセットとなり、パ軍のポストシーズン進出が決定した。
▽エンゼルスでは エ軍が三重殺を奪ったのは23年8月18日の本拠地・レイズ戦以来8度目。