◆JERA セ・リーグ 巨人3―4中日(13日・東京ドーム)

 攻守で詰めが甘かった。序盤に3点リードしながら逆転負け。

日米通算199勝目を目指した田中将を野手陣が援護しきれず敗戦となった。試合後、阿部監督は報道陣の待つ会見場に姿を見せず今季4度目の取材対応なし。前向きなコメントが出せない展開だったため、あえて無言を貫いた。球団広報が「金曜日の試合からまた切り替えてやっていきます」と指揮官のコメントを代読して発表した。

 初回に丸の先頭打者弾などで3点先制し、なお1死満塁で8番・門脇が空振り三振に倒れた。次が投手の田中将だったことを考えれば、どんな打球であれ最低でも1点追加したい場面だった。痛恨の結果で3点止まりだったことが後に響いた。制球に苦しむ柳を立ち直らせる形となり、2回以降追加点を奪えなかった。

 橋上作戦戦略コーチ兼スコアラーが「何とか田中将大に勝ちをつけてあげられるように」とコメントしたように、チーム全員が強い気持ちで臨んでいた。だが結果は残酷だった。3―0の5回の守備で痛いミスが出た。1死一塁、山本の二ゴロで併殺を狙った門脇の二塁送球が高めに抜け悪送球。

白球が三塁ファウルグラウンドまで転々とする間に一塁走者が生還。その後同点とされ、田中将はこの回で無念の交代となった。

 2番手の菊地が6回、代わった直後にチェイビスに浴びたソロが決勝点になった。日頃から阿部監督は「全員にヒーローになるチャンスがある」と話している。正二塁手の吉川が腰痛で離脱する中、攻守で悔しい結果となった門脇を交代させたり代打を出したりせず、最後まで挽回するチャンスを与え続けた。「取り返してこい!」というメッセージが詰まった采配に映ったが、状況は好転せず中日に1点届かなかった。

 本拠地で中日にカード負け越し。試合後、門脇は「実力不足です。(田中将の)200勝間近で、ああやってミスで負けたので、本当にすみません、しかなかったです」と唇をかんだ。5日からの9連戦は1試合の雨天中止を挟んで5勝3敗。勝率5割に逆戻りし、首位・阪神とは12ゲーム差に開いた。15日からはその阪神と本拠地で3連戦。

残り38試合。必死に食らいつくしかない。(片岡 優帆)

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