◆第107回全国高校野球選手権大会第10日 ▽2回戦 東洋大姫路8―4花巻東(15日・甲子園)

 東洋大姫路(兵庫)が花巻東(岩手)を破り、8強入りした2011年以来、14年ぶりの16強入りを決めた。

 最速147キロ右腕の阪下漣(3年)が、今春センバツ以来の復帰登板を果たした。

8―4の9回、先発の木下鷹大(3年)が先頭に二塁打を許して降板。2番手でマウンドに立った阪下が、2者連続三振と遊ゴロで試合を締めた。「木下が甲子園に連れてきてくれた分、自分は恩返ししたい気持ちがすごい。木下のためにというか、チームの勝利のために腕を振るだけだった。楽しみながらランナー二塁の緊張感の中でやれた」と振り返った。

 阪下は、今春センバツまで背番号1でチームをけん引した。しかし、センバツ中に右肘のじん帯損傷が発覚。手術と保存療法の二択に迫られた右腕は、「高校野球を諦めようという気持ちにもなった」と、一時は手術に踏み切ろうとした。しかし、代わって背番号1をつけた木下ら仲間の奮闘を見て保存治療を選択。春季兵庫県大会、同近畿大会はベンチ外だったが、夏の兵庫大会から背番号10でベンチ入りした。

 同大会では登板機会なし。甲子園で公式戦復帰登板に臨み、こん身の11球で次戦へつなげた右腕は、「自分たちの目標は日本一なので、自分がその1ピースになれれば」と意気込んだ。

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