5月から約2か月半の米国出張を終え、7月下旬に帰国した。暑い。
海外出張にトラブルはつきもの。今回も、レンタカーがパンクして慣れないタイヤ交換をしたこともあったし、飛行機に乗って寝てしまい、目を覚ましたら、その便が欠航になって他の乗客がみんな降りていたこともあった。ホテルの部屋に戻ったら100匹ほどの小バエのような虫が飛んでいて必死に追い出したことも…。5月に行ったクリーブランドでは球場にも虫が大量発生し、登板したドジャース・山本由伸もさすがに苦笑いだった。
不測の事態が多いだけでなく、米国はとにかく広い。ロサンゼルスからニューヨークに移動すれば飛行機で約6時間かかり、3時間の時差もある。MLBの30球場はそれぞれ勝手も違う。メジャー8年目の大谷翔平でさえ、ビジターの試合では動線や目的の場所が分からずに右往左往する様子が度々見られる。
そんな環境で活躍するメジャーリーガーには本当に感心する。だから、大谷が球宴前日にすごいと思う選手を問われて、スターやライバルではなく、前半戦に先発や中継ぎでフル回転した同僚のカスペリアス、ドライヤーの2人の名前を挙げたのもうなずける。
物価も高く、治安が悪い場所もあって庶民が米国で生活するのは大変だ。ただ、そんな思いさえ溶かしてしまいそうなのが、この日本の異常な暑さ。世界中どこに行っても悩みはなくならないのかもしれない…。(MLB担当・安藤 宏太)
◆安藤 宏太(あんどう・こうた)2013年入社。大相撲、巨人、楽天担当を経て19年から現職。