◆秋季高校野球静岡県予選▽1回戦 小山1―9知徳=8回コールド=(16日・裾野球場)
来年のセンバツ出場を懸けた戦いが開幕し、1回戦が行われた。甲子園で好投し全国区となった聖隷クリストファー・高部陸投手(2年)にライバル意識を燃やす知徳の192センチ左腕・渡辺大地(2年)が7回を4安打、毎回の10Kを奪って1失点の好投。
192センチの大型左腕が新チーム初戦で上々のスタートを切った。知徳の渡辺が7回を毎回10Kで1失点の好投だ。「緊張なくいつも通り投げられた。相手は真っすぐに合ってなかったので直球で押した」と、胸を張った。
長身からサイド気味のフォームが持ち味。6回に不運な連打で1点を失ったものの、後続をピシャリ。腕の出どころが似ている元メジャーの伝説投手、ランディー・ジョンソンにならって初鹿文彦監督(50)からは「ジョンソンを目指せ」と言われている男が無四球と制球力も抜群だった。
甲子園で一躍、全国区となった聖隷の高部と同じ2年生左腕。今春県大会2回戦で対戦して、完投した高部に対し、渡辺は3回4失点で降板、2―7で敗れた。「絶対負けたくない相手」。将来、プロを目標にしている男は、夏の県優勝投手にメラメラとライバル意識を燃やしている。
体も技術も伸び盛りの16歳。夏の登録191センチから1センチ伸びた。「まだ身長は伸びているけど、もう止まってほしい」。体重は76キロと細身の体で完成度の高い高部とは対照的に、こちらは、未知の魅力がつまっている。最速135キロから今秋は140キロを目標に置く。「県大会で聖隷と対戦して高部に投げ勝ちたい」。将来性十分の渡辺が打倒・聖隷の1番手に名乗りを上げた。
(塩沢 武士)