◆報知新聞社主催◇第19回全日本中学野球選手権大会ジャイアンツカップ ▽準決勝 旭川大雪ボーイズ5-3多摩川ボーイズ(16日、東京・大田スタジアム)

 9年ぶり3度目出場の旭川大雪ボーイズが初優勝に王手をかけた。多摩川ボーイズとの準決勝で5―3の逆転勝ち。

1点差に迫った5回2死満塁、4番・前田健成(3年)が投手強襲の2点適時打を放ち、逆転に成功。直後の6回からリリーフした前田が2回無失点で逃げ切った。道勢では2015年に準優勝した小樽リトルシニア以来の決勝進出。17日に東京ドームで行われる決勝で、優勝2度の強豪・世田谷西リトルシニアと対戦する。

 旋風を巻き起こす旭川大雪が頂点にあと1勝と迫った。1点ビハインドの5回2死満塁、スライダーを捉えた4番・前田の一打は投手強襲の2点適時打となった。「絶対に決めてやる気持ちだった。ここで一気に逆転しよう、4番が走者をかえそうと」。主砲の執念が逆転劇を呼び込んだ。

 直後の6回には先発右腕の樽井新太(3年)からバトンを受けてマウンドへ。2イニングを被安打1の2奪三振1四球。三塁を踏ませない力投で、チームを初の決勝へと導いた。

前田は「樽井も5回を投げきってくれた。信頼している投手同士で絶対に抑えようと思った」と顔を上気させた。

 止まらない快進撃に、西大條(にしおおえだ)敏志監督(58)は「ここまで来るとは正直考えていなかった。落ち着いて野球ができるようになった。たくましいの一言」とナインを褒めちぎった。

 道勢としては15年大会準Vの小樽リトルシニア以来、2度目のファイナル。大会前のチーム目標の4強を超え、前田は「監督と両親へ絶対に優勝を届けたい」と誓いを立てた。決勝の舞台は憧れの東京ドーム。大雪ナインが最終戦でもう一度、風を吹かせる。

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