◆第107回全国高校野球選手権大会第12日 ▽3回戦 横浜5―0津田学園(17日・甲子園)

 グラウンド外で翻弄された夏が終わった。5点を追う9回2死一、二塁。

津田学園・桑山晄太朗の飛球は左翼手のグラブに収まった。「率直に悔しい。勝って校歌を歌いたかった」。8回8安打5失点のエースは大粒の涙。7日の初戦以来10日ぶりとなった聖地で、センバツ王者・横浜に屈した。

 広陵の辞退により、2回戦は不戦勝。試合が予定されていた14日に1時間、甲子園での練習が設けられた。ところが3回、1死二塁で左翼の田中寛人が左前打を後逸し、打者走者まで生還を許す先制の2失点。試合勘への影響を指摘されたが、佐川竜朗監督(47)は「今日守備がしっかりできたのは間違いなく甲子園練習のおかげ。明らかな力の差、王者の強さ」と言い訳はしなかった。

 桑山は試合終了後、横浜・奥村頼と阿部葉から「ナイスピッチ」と言葉をかけられたという。最速149キロ左腕は「高校野球はやりきった」と大学進学を明言。

ライバルの言葉を胸に、次のステップに挑む。(藤田 芽生)

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