◆パ・リーグ オリックス7X―6西武=延長12回=(17日・京セラドーム)

 オリックスが20年7月22日の楽天戦(楽天生命)以来となる6点差逆転勝ちを収め、2カードぶりに勝ち越した。同点の延長12回、プロ10年目の広岡大志内野手(28)が左越えに自身初のサヨナラ本塁打となる5号ソロ。

5回には太田椋内野手(24)に自身初の8号満塁弾、6回には中川圭太内野手(29)に同点の9号2ランが生まれ、アーチ3発で劇的勝利をつかんだ。

 広岡はヘルメットを取り、叫びながら歓喜のウォーターシャワーに飛び込んだ。「(今までは)サヨナラの場面で、なかなかあれだった(結果が出なかった)。プロをやっている間に打ててよかった」。6―6で迎えた延長12回、あとアウト2つでドローとなる場面。中村祐が7球目に投げた直球を完璧に捉え、左翼席に届けた。「(カウントが)3―2だったので『行く』という気持ちで。見逃し三振だけはしないように」。腹をくくり、プロ10年目、自身3チーム目にして初の劇弾につなげた。

 反撃の号砲を鳴らしたのは7年目の太田だ。0―6の5回1死満塁、隅田の初球をバックスクリーンに突き刺した。「1点ずつ。

6点差もあったし、逆に思い切って打つことができた」。試合前時点で今季対戦防御率1・76だった難敵に一矢を報いると、6回は2死一塁で中川に左越え同点2ランが生まれた。試合を決めた広岡は「2点差まで行ったので、すごく大きかった」と後輩の一撃に感謝。チーム全員が「諦めない姿勢」を体現し、5年ぶりの大逆転を呼び込んだ。

 毎年恒例「Bs夏の陣」の最終戦に3発の花火を打ち上げ、4位・楽天とは3ゲーム差に拡大。岸田監督は「素晴らしい。本当に全員で勝ち取った(白星)」と、打線、そして移籍後初の3連投となった岩崎を含めた投手陣の粘りを評価した。左足首のけがで離脱中の正左翼手・西川については「合流します」と、19日の日本ハム戦(エスコン)で1軍復帰させることを明言。役者をそろえたオリックスが、最後までCS争いを熱く盛り上げる。(南部 俊太)

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