◆第107回全国高校野球選手権大会第12日 ▽3回戦 沖縄尚学5―3仙台育英=延長11回タイブレーク=(17日・甲子園)

 8強が出そろった。沖縄尚学は、最速150キロの2年生エース・末吉良丞(りょうすけ)が延長11回を169球で投げ抜き、今秋ドラフト候補に挙がる仙台育英(宮城)の吉川陽大(3年)との好左腕対決を制して、2年ぶりのベスト8。

準々決勝は、西日本短大付(福岡)に逆転勝ちして14年ぶりに8強に進んだ東洋大姫路(兵庫)と対戦する。18日は休養日で、準々決勝は19日に行われる。

 仙台育英の一塁側アルプスに、金足農のエース・吉田大輝投手(3年)の姿があった。「(仙台)育英のキャプテンと仲が良いんです」。同じ秋田出身で主将の佐々木義恭左翼手(3年)からチケットを譲り受け、急きょ応援。18年に兄・輝星(現オリックス)らが巻き起こした「金農旋風」以来のアルプス席に「7年前に戻った感じがする」と懐かしそうに球場を眺めた。

 1回戦で沖縄尚学と戦ったが、自身が決勝点を献上し敗退。くしくも、この日仙台育英と戦ったのは沖縄尚学だった。「本当だったら今、仙台育英さんと試合をしているはずだった」と唇をかんだが、同じ東北勢に夢を託し声をからした。それでも願いは届かず。「やっぱり高校野球をもうちょっとやりたかった悔しさもある。その思いは、これからの野球人生で見返していきたい」。

吉田の戦いはまだ終わらない。(北村 優衣)

編集部おすすめ