◆JERA セ・リーグ 巨人1―3阪神(17日・東京ドーム)

 巨人は阪神に連敗し、今季最大タイの13ゲーム差となり、3位・DeNAに0・5差と迫られた。打線が序盤の好機を生かせず、4回に失策も絡んで3失点。

阪神先発の才木には7連敗を喫した。7安打の阪神を上回る10安打を放ちながら敗れ、同カードのホーム9敗目は1952年のフランチャイズ制以降、球団史上ワースト。勝負強さや守備力の面で、首位を独走する阪神との差を痛感するカード負け越しとなった。

 諦めない姿勢で挑んだが、あえなく沈んだ。2点を追う9回無死一、二塁。代打・増田大がスリーバント失敗に終わると、後続も倒れて10安打1得点で試合終了。阿部監督は「ああいう決めなきゃいけない(バントを)ね、すごく難しいんだけどね」と唇をかんだ。今カード1勝2敗で今季の阪神戦は6勝15敗。52年のフランチャイズ制以降、同カードのホーム9敗は球団史上ワーストとなった。指揮官は7月に「力の差がもう歴然としているよね」と語ったが、現状でも虎との差を埋められていないことを示す敗戦となった。

 《1》決定力 相手先発の才木に対し、2、3、4回と得点圏に走者を置いたが無得点。阿部監督は「何本ヒットを打とうがね、点が入らなきゃどうしようもない。

(走者を進めることが)できたら勝てるだろうし、できなかったら負ける」と受け止めた。5回の丸のソロが才木から昨年8月以来36イニングぶりの得点となったが、5回7安打1得点で難敵に7連敗。一方の阪神は、最初の好機の4回に3得点。決めるべきところできっちり決められた。

 《2》失策 4回2死一、三塁、赤星が高寺に先制右前打を許し、さらに右翼の丸が後逸。一走・大山の生還も許した。「大体ミスした方が負けますからね」と指揮官。チームの今季失策数はリーグワーストの63で、うち阪神戦で20。阪神は今季46で、巨人戦は8と大きな差がある。

 《3》苦手投手の存在 才木には今季4戦4敗、防御率0・38。前日16日に2安打完封を許した村上にも同4戦0勝3敗、防御率0・60と苦手を克服できないままだ。「何とかしないとね、上にはいけないんで」。

ポストシーズンで再戦する可能性もあり、一刻も早く苦手意識を払拭(ふっしょく)する必要がある。

 長嶋茂雄さんの追悼試合として行われた16日の一戦に勝ち切れず、一夜明けのこの日も連敗。首位・阪神とは今季最大タイの13差に広がり、借金1となった。「とにかく前向いてやるしかない。阪神にやられっぱなしですけど、優勝が0%になったわけではない。諦めちゃいけないですし、これから全部勝つつもりでやるしかないんでね」と阿部監督。先の戦いに向けても、レギュラーシーズン残り4試合の阪神戦で、少しでも差を埋めたい。(田中 哲)

編集部おすすめ