◆JERA セ・リーグ 巨人1―3阪神(17日・東京ドーム)

 9回の攻撃、無死一塁の場面。打席の中山のネクストで坂本が準備をしていた。

中山がヒットでつなぎ、坂本は一度ベンチに帰り、増田大がバントのために代打で出て、失敗。丸が凡退して2死となってから坂本が再登場。しかし、このケースとなっては、打つ方は長打が欲しい。それは投げる方も分かるから、外角一辺倒の配球で坂本は三振に倒れた。

 結論から言って、無死一、二塁となったところで、グラウンドに出て、体も気持ちも作り上げていた坂本を、そのまま打席に送った方が良かったように思う。勢いや、マウンドの岩崎の不安を考えても、坂本に託してみたかった。

 この3連戦だけでなく、今季の対阪神は巨人の思うように試合が展開せず、チグハグ感が目立つ。初回と3回、先頭の丸が出塁した時、2番の若林に強攻策を取った。16日の試合では村上の前に二塁を踏んでいない。才木に対しては今季3試合19イニング無得点だったのだから、まず得点圏に走者を送るべき。ましてや岡本が帰ってきている。4番のバットにかける作戦を見せてほしかった。

 岡本の勝負を避けられる可能性も、もちろん考えられる。その点、今後にも不安を残したのが岡本の後を打つキャベッジの打撃。3回は才木、8回は石井に対して3ボールのカウントから全部真っすぐで攻められて三振を喫した。ミートするだけで本塁打できる力があるのに、ホームランを狙って力み過ぎている。欲をコントロールし、ポイントを前にして打つことを心がけるべきだね。(スポーツ報知評論家・高木 豊)

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