◆エイジェックカップ第56回日本少年野球選手権大会 ▽2回戦 飯塚ボーイズ(福岡北)3x―2宮城仙北ボーイズ(東北中央)(8月3日・春日総合運動公園野球場)
夏の全国大会・エイジェックカップ第56回選手権大会が2日に開幕。7日まで大阪シティ信用金庫などで熱戦が繰り広げられた。
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1点を勝ち越した最終回の裏、同点に追い付かれ1死満塁のピンチ。相手の打球が左前で弾む。サヨナラ負けの瞬間、宮城仙北ナインはそれぞれのポジションで崩れ落ちた。
連覇への道を歩むはずだった。昨年、先輩が東北勢初の全国制覇を成し遂げた。「全員で優勝旗を返しに行こう!」を合言葉に全国切符をつかみ、「大会連覇!」を新たな目標に大阪へ乗り込んだ。エース岩崎が右肘痛、最速137キロを誇る二塁兼投手・酒井が左股関節を痛め、ベンチ入りメンバーから外れる逆境も、気負いはなかったはずだった。
5回1死二塁から福地が均衡を破る左前適時打で先制も、6回に追い付かれる。7回だ。2死走者なしから福地が四球を選ぶと3番・西舘主将が左前安打で一、二塁。
岩渕は「点を取っても勝ってても、相手に押されているというかプレッシャーを感じた」と吐露。サヨナラ負けに「3年間が一瞬で終わった。申し訳ないという気持ちしかない」と声を絞り出した。西舘主将は目を真っ赤にして「整理が付かない。自分たちの力が出し切れなかった悔しさがある」と涙ながらに語った。連覇を成し遂げ後輩に続いて欲しかった。「僕たちが2連覇して、後輩に3連覇して欲しかった。そのタスキを渡せなかったのが悔しい」。
3日が69歳の誕生日だった田中伸次監督は「勝てなかったのは俺のミス。
メンバーで唯一の2年生・工藤は先発し4回途中まで無失点と好投した。「先輩方は『緊張しないでいいよ』とかやさしい言葉をかけてくれた。もっと長く3年生と試合をしたかった」。悔し涙に暮れた3年生の思いも受け継ぎ、また歩みを始める。
【宮城仙北ボーイズ・登録メンバー】※は主将
▽3年生 ※西舘稟翔、岩崎琉生、阿部琥羽、福地蓮夢、木村陽斗、遊佐宙詩、鈴木爵麿、三浦陸人、勝又祥暉、中川旺雅、齋藤匠、鈴木煌明、吉田流惟、岩渕悠生、佐藤大慎、小野寺駿、遠山翔馬、佐藤瞬哉、児玉朔澄、大場智拓日、高橋虎治朗、伊藤京英、佐藤蒼空人、
▽2年生 工藤陽翔