◆第107回全国高校野球選手権大会第13日 ▽準々決勝 県岐阜商8x―7横浜=11回タイブレーク=(19日・甲子園)
今春センバツ王者の横浜(神奈川)が県岐阜商に延長11回タイブレークの末、サヨナラ負けを喫した。エース・松坂大輔を擁した1998年以来となる、春夏連覇の夢はついえた。
最速146キロを誇るプロ注目のエース左腕・奥村頼人(3年)は5回途中から3番手で救援。再三のピンチをしのいだが、最後に力尽きた。試合後は止めどなく涙があふれた。
「去年の夏からずっと、勝ちにこだわり続けてやってきた。一番練習してきた自信もある。みんなが信頼してくれて、1番を背負わせてくれた。自分一人じゃこんな経験は出来ない。ここまで来ることができたのもみんなのおかげ。感謝しかありません」
3万6000人の大観衆。センバツ王者に8強唯一の公立校が挑む構図で、判官びいきの観衆はそれを後押しした。「アウェーのような感じだった。その中で力を出せないと。
再三のピンチを強い気持ちと、仲間の堅守でしのいだ。「自分も気持ちで押していったが、打たれたのは相手の気持ちが勝っていたということ」と潔く負けを認めたサウスポー。進路には「さらなるレベルアップを求めてやってきた。プロ1本で、プロを目指して頑張りたい」と表明した。この敗戦は必ず、長い野球人生の糧にする。