◆陸上 ダイヤモンドリーグ第13戦(20日、スイス・ローザンヌ)

 女子やり投げで昨年のパリ五輪金メダルの北口榛花(27)=JAL=は、50メートル93で最下位の10位だった。右肘内側上顆(じょうか)炎で7月の日本選手権を欠場し、約2か月ぶりの実戦復帰だったが、完全復活の姿は見せられなかった。

6月の第6戦で優勝しており、年間上位選手で争う今月27日開幕のファイナル(スイス・チューリヒ)進出は確定。9月13日開幕の東京世界陸上を見据え急ピッチで調整を進める。アドリアナ・ビラゴシュ(セルビア)が63メートル02で優勝した。

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 今季の大一番まで1か月を切った中での復帰戦は、50メートル台の最下位。それでも、過去に北口は困難を乗り越えてきた。昨年8月のパリ五輪では金メダルを獲得したが、実は直前まで本調子ではなかった。当時は筋力強化中心で、半日の休みが週に1度しかないハードな練習を繰り返した。上半身が硬直するなど未体験の症状が出て苦しんだという。そこから練習の負荷を微調整。休日も増やした。細心の注意を払って体調を管理し、大舞台に間に合わせた成功体験がある。

 今回と状況は同じではないが、約2か月の調整を経て、まずは試合をこなせたことが大きな一歩。

勝負強い北口がDLファイナル、東京世界陸上に戻ってくるのを待ちたい。(陸上担当・手島 莉子)

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