バスケットボールのB1レバンガ北海道に入団した男子日本代表のSG富永啓生(24)が21日、札幌市の北海道庁赤れんが庁舎で会見を行った。優勝に向け、全力を尽くすことを宣言。

同席した桜井良太GM(42)は、チーム史上最長となる4年の契約年数を発表した。約1か月半後に迫った開幕に向け、日本屈指のシューターがきょう22日にチームの全体練習に合流する。

 富永が、レバンガ北海道の一員として新たな一歩を踏み出す。改修工事を経て7月25日にリニューアルオープンしたばかりの観光名所赤れんが庁舎で会見。「まずはCSに出場して、そこからチャンピオンを狙っていく。それをできる選手はそろっている」と、新天地での始動を前に気を引き締めた。

 高校卒業後に渡米し、昨季はNBA下部のGリーグでプレー。Bリーグは初参戦となる。6月の入団会見時には未定だった今季のメンバーも確定。15年NBAドラフトで1巡目3位指名を受けた、PF/Cジャリル・オカフォー(29)ら大物助っ人も加わった。「すごくバランスの良い編成になった。各選手の強みを出せば、どこのチームにも勝てるようなチームになれる」と自信をのぞかせた。

 7月には、NBAで若手の登竜門となるサマーリーグに参戦。今月、サウジアラビアで開催されたアジアカップにも日本代表として出場した。レバンガ創設以来、代表の中心選手が加入するのは異例。桜井GMは「中心選手として腰を据えて覚悟を持って、CSだったり優勝に絡んでいくチームをつくっていきたいという思いの下、発表して臨むことになりました」。これまで全選手非公表にしていた契約年数を初めて公表。Bリーグの規定でも最長となる4年契約を結び、「本当の意味でリーグを代表する、Bリーグといえば富永啓生という選手になってもらいたい」と期待した。

 富永はかねてNBA入りを目標に掲げており、チームは今後も海外挑戦をサポートしていく方針だ。ただ、本人は「本当に(Bリーグの)てっぺんを目指していきたい。初日の練習から自分らしさというか、やるべきことをやって、徐々に(チームを)つくっていければ」とチームで結果を残すことに集中する。Bリーグ創設後、9季連続負け越しが続くレバンガ。低迷するチームを立て直すべく、日本を代表するシューターが北の大地で実力を見せつける。

(島山 知房)

 ◆富永 啓生(とみなが・けいせい)2001年2月1日、愛知県名古屋市生まれ。

24歳。愛知・桜丘高3年時の全国高校選手権で1試合平均39.8得点を挙げて大会得点王となり、ベスト5にも選ばれた。19年からレンジャー短大に進学。2年時にチームを全米短大選手権4強に導き、優秀選手に選出された。21年からネブラスカ大に編入し、昨年卒業。父・啓之さんは元日本代表で、1998年世界選手権(現W杯)に出場。母・ひとみさんも元選手。趣味はゴルフで、ベストスコアは83。188センチ。

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