競泳 日本学生選手権 第1日(4日、東京アクアティクスセンター)

 男子400メートル個人メドレー決勝が行われ、パリ五輪銀メダルの松下知之(東洋大2年)が4分7秒21の自己ベストで連覇を果たした。2014年に萩野公介が記録した大会記録(4分9秒62)も大幅に塗り替えた。

「自己ベストをどこまで更新できるか雅目標だった。ずっと(4分)8秒台で止まっていたので、ようやく一歩前進することができた。うれしいよりもホッとした」と喜びを語った。

 持ち味はラストの自由形。だが、この日は最初のバタフライでは日本記録を上回る54秒67で泳いだ。前半200メートルを1分58秒12で折り返し、「平井伯昌(のりまさ)先生から体が動いたままに泳げばいいと指示があった。いい意味でバカになれた」と笑顔を見せた。

 今夏の世界選手権は同種目で銀メダルも、レオン・マルシャン(フランス)には完敗だった。マルシャンは200メートルで準決勝で世界記録を更新し、200、400で2冠を達成。松下は「全く歯が立たなかった。記録よりも、戦えなかった現実が悔しかった」。世界選手権後は平井コーチと何度もミーティングを重ね、勝つための策を模索した。

「精神的な部分での修正が、ここまでのタイムの変動につながった」と成長を実感している。

 自己ベスト更新は通過点に過ぎない。日本記録(4分6秒5)更新にも大きく近づいた。「いつ出てもおかしくないタイム。自分の中では日本記録より、マルシャン選手にどれだけ近づけるか。その過程に日本記録を更新できれば」と視線は先を見つめている。さらに最大の目標は3年後の大舞台。「ロサンゼルス(五輪)で勝つために過ごしている」。成長途中の20歳は3年後の金メダル獲得に意欲を燃やす。

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