◆JERA セ・リーグ 中日4―5巨人(6日・バンテリンドーム)
9回2死走者なし。ましてや投手は、今季セーブ機会失敗なしの松山。
中でも坂本。代打での登場は、いくら準備をして気持ちをつくっていても、急に試合の流れの中に入るのは難しいもの。1ボールからの2球目、空振りにはなったがファーストストライクに対して強くスイングをかけられたのが良かった。追い込まれると攻略はさらに困難になる投手だけに、カウント2―1から来た外角低めの155キロに、今度は少しコンパクトに軽打。鮮やかに中前への同点打とした。
残り試合も20を切り、CS争いは中日を含めて4チームでの争いになるかもしれない現状。中日とはペナント最終に2連戦も予定されている。相手がどこであれ勝つことしかない状況だが、この日は苦しい展開の中、最後の最後で中日の絶対的存在のクローザーを打ち崩した。
ここまで来ると、どの1勝も大きいが、中継ぎ投手陣も頑張ってつかんだ白星。流れをつかむ1勝になると思うし、しなければいけない。(野球評論家・清水 隆行)