◆米大リーグ オリオールズ2―5ドジャース(7日、米メリーランド州ボルティモア=オリオールパーク)

 オリオールズ・菅野智之投手(35)が7日(日本時間8日)、本拠地・ドジャーズ戦に先発し、3回0/3を投げ、7安打4失点で今季8敗目(10勝)を喫した。菅野は、大谷翔平投手(31)に2打席連続で本塁打を浴びるなど、メジャー自己ワーストタイの1試合3被弾。

4回無死二塁から金慧成内野手の打球を右足に受け、そのまま負傷退場となった。1奪三振、無四球で防御率は4・57。アクシデントに見舞われ、3回0/3での降板は自己最短だった。

 打球速度95・8マイル(約154・2キロ)の打球が、ワンバウンドでマウンドの菅野の右足に当たった。投手の本能で、とっさに打球を止めようとしたのか。マウンドに崩れ、苦痛に顔をゆがめた右腕。何とか立ち上がり、足を引ずりながら、フレンチ投手コーチに肩を借りてベンチに下がった。広報発表は「右足の違和感」。3月30日のデビュー戦だった敵地・ブルージェイズ戦で両手がつって降板して以来、メジャーでは2度目の負傷退場となった。

 試合後、マンソリーノ監督代行は「幸いレントゲン結果はネガティブ(陰性)だった」と説明し、骨には異常がなかった模様。「数日様子をみて彼がどう感じるか。(右)足に体重を掛けることが難しいようだった」と説明した。

バッテリーを組んだA・ジャクソン捕手は「つま先のあたり。敏感なエリアだ。無事であって欲しい。どうなるか分からないけれど、彼はタフな勝負師だから、きっと大丈夫だと思う」と願いを込めた。

 大谷とは、10年ぶりの対決。開幕後、地元テレビ局に対戦したい打者を問われて「右のジャッジ、左の大谷」とリーグを代表する強打者2人の名前を挙げた菅野。8月にレッドソックス・吉田正尚外野手と対戦した際には「他の日本人ピッチャーが、日本人バッターと対戦して、意識してないって言ったら、多分、嘘。もちろん、意識はしますけど、それ以上のことはない。打者の1人として対峙しなければ」と語っていた。

 この日は試合開始直後。先頭の大谷にカウント1ボールからの2球目、外寄りのシンカーを中堅外野席に、3回の第2打席は、2ボールからの3球目、内寄りの直球をバックスクリーンに運ばれた。続くベッツに打者連続弾を許し、ソロ3発で3失点。

今季26人の打者に被弾した菅野にとって、2発目を許したのは、大谷唯一人となった。

 「(1本目)の外角高めを右中間に打ったが、実際、投げたボールはとても良かった。次は、内角を攻めたが、彼(大谷)は、ほぼ同じ落下地点に打った。敬礼するしかないと思う」と、同監督代行も、この日の大谷には脱帽するしかなかった。

 8月31日のジャイアンツ戦はバーランダー、この日はカーショーと、2試合連続で将来、殿堂入り確実とされるレジェンドと投げあったが、前回は味方守備に足を引っ張られ、今回はアクシデントに見舞われる不運な登板となった菅野。チームは、15三振。6回の3連打で奪った2得点が唯一の得点機となり、連勝は「5」でストップした。

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