B2ベルテックス静岡は11日、プレシーズンゲームのB1川崎戦(13、14日・東急ドレッセとどろきアリーナ)に向けて静岡市内で練習した。昨季、専大から特別指定選手で加入し、大卒1年目の新人・SF上村大佐(たいすけ、22)が、開幕スタメンへアピールする。
「昨シーズンは途中から入って理解することに必死だったけど、今年は7月の新体制から加わって、何を求められているかは、分かっている。1年経験して判断力とか、少しは成長していると思う」
今季初プレシーズンゲームだった6、7日のB2福島との2連戦では、いずれも途中出場。第1戦では17分50秒のプレータイムで3得点1アシスト。第2戦は12分56秒で2得点と得意の3点シュートは不発に終わり、数字的には目立たなかった。それでも、課題だったディフェンス面で収穫もあった。
「出来た部分はあった。スリーに関しては、フリーで打てたシーンもあったけど、まだアジャストし切れていない感じ。もっと、確率を上げていかないと」
1シーズン経験してオフには肉体改造に取り組んだ。相手の得点源となる外国人とのマッチアップが求められるSFのポジションで、フィジカルで負けない体作りに着手。7月の新チーム初日には、見違える体になって帰ってきた。
「入団当初から8キロ増えて今は91キロ(登録は90キロ)。増加分は、ほぼ筋肉量。
昨季はまだ大学生で、バスケットに対する姿勢もまだまだ甘かったという。大学を卒業して正真正銘のプロ1年目を歩み出している。
「今は、バスケのことを24時間考えていると言っていいぐらい。練習中の映像も見返して、確認している」。
同じポジションで、昨季は全60試合にスタメン出場したSF増田啓介(27)が右足を骨折し、開幕は絶望的。上村にとってB1川崎戦は、首脳陣にアピールする絶好の機会だ。
「確かに、チャンスだけど、出て活躍したい、っていう思いでプレーしても、あまりうまく行かないことが昨季で分かった。まずは、練習通りにやることが大事。シュートも、リラックスして打ってる時が一番が入っているので、『普段通り』というマインドでプレーしたい」。
高校バスケの名門・能代工(現能代科学技術)最後の世代。ルーキー・上村が格上相手に、今もっている力をすべて出し切る。