◆ラグザスpresents 第32回WBSC U―18野球ワールドカップ ▽スーパーラウンド 日本6―2米国=延長8回タイブレーク=(11日・沖縄セルラースタジアム那覇)

 スーパーラウンド(SR)初戦は、日本が米国との全勝対決を制した。1―1で迎えたタイブレークの延長8回に岡部飛雄馬(敦賀気比3年)の勝ち越し3点二塁打などで5得点。

6-2で1次Rから持ち越す2勝を含め、3勝0敗とした。投手陣は唯一2年生での選出となった最速150キロ左腕・末吉良丞(沖縄尚学)が先発し、メジャー予備軍を相手に4回1/3を無安打無失点、5Kの好投で、勝利への道を開いた。12日午後6時30分からはパナマと対戦。創成館の最速149キロ右腕・森下翔太(3年)が先発する。

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 那覇の夜空にねぎらいの指笛と拍手が鳴り響いた。末吉良丞は帽子を取り、頭を下げてマウンドを降りた。ベンチ前では笑顔の先輩たちが出迎えてくれた。米国打線を相手に4回1/3を投げ、無安打無失点の快投。68球で降板したことで、中2日で14日の決勝への登板も可能になった。

 「序盤は緊張したが、ストライクが入っていくと、緊張もほぐれた。ゲームを作ること、チームを勝たせることを考えて投げました。ミットをめがけて、思い切り投げられた」

 メジャー予備軍がそろう米国の強力打線。

地元の声援を背に受け、力投した。最速146キロの直球で攻め、スライダーでバットに空を切らせた。100キロ台のカーブも操り、緩急で幻惑した。「自分は元々、尻上がりに良くなる方。安心感のある守備に助けられました。先輩たちは頼りになります」と感謝した。

 米国の先発は26年全米ドラフト1位候補の速球派左腕・ボレモン。息詰まる投手戦になったが、リードを許すことなくマウンドを降りた。今夏の甲子園優勝に導いたサウスポーの意地だった。

 日本代表20人の中で唯一の2年生だが、“兄貴分”の最速148キロ左腕・奥村頼人(横浜3年)のフォローもあり、チームになじんでいる。お笑いコンビ「トム・ブラウン」のみちお似であることから「みちお」の愛称で呼ばれる。主将の阿部葉太(横浜3年)も「2年生とは思えない。

同級生くらいの関わりです。本当にいいチームになってきている」と証言する。

 「中2日空くので、決勝に向けて準備していきたい」と末吉。その瞳には、世界一しか見えていない。(加藤 弘士)

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