◆第79回セントライト記念・G2(9月15日、中山・芝2200メートル、良)

 菊花賞トライアルの第79回セントライト記念・G2は15日、中山競馬場で行われ、皐月賞馬ミュージアムマイル(戸崎)が1番人気に応えて重賞2勝目。目標の天皇賞・秋(11月2日、東京)へ好発進を切った。

 G1馬の力を見せつけた。ミュージアムマイルは抜群の手応えで直線を迎えると、クロワデュノールを負かした皐月賞と同じように勢いよく外から進出。急坂でも脚いろが鈍ることはなく、最後まで伸び続けて差し切った。初騎乗だった戸崎は「皐月賞馬ということで責任は感じていました。ある程度、外を回っても力で押し切れると思ってギアを入れていきました。馬も反応してくれて勝つことができて良かったと思います」と胸を張った。

 外枠発走となったファイアンクランツの影響でゲートで待たされたが、問題なく五分のスタートを切った。道中の折り合いは完璧。直線も鞍上の指示に瞬時に反応してスパートした。戸崎は「周りに影響されずどっしりとしていますし、レースはすごく乗りやすい馬。どんな展開になっても対応できる強さがあるのかなと思います」とストロングポイントを挙げた。

 今回は受けて立つ立場だっただけに、高柳大調教師はホッとした表情。

今年初戦の報知杯弥生賞ディープインパクト記念は4着だったこともあり「休み明けでどうかなと心配だったのですが、戸崎騎手がうまく乗ってくれて勝ちに導いてくれました」とリーディングジョッキーに感謝した。

 レース前からここを使って天皇賞・秋というプランを明らかにしていたが、秋初戦は文句なしの結果となった。「皐月賞の時も(前哨戦で)しっかり仕上げてもう一段階良くなったので、今回もそのつもりでした。まだ良くなると思います」とトレーナーは期待。同世代を一蹴し、古馬のトップクラスに堂々、挑戦状をたたきつけた(西山 智昭)

 ◆ミュージアムマイル 父リオンディーズ、母ミュージアムヒル(父ハーツクライ)。栗東・高柳大輔厩舎所属の牡3歳。北海道安平町・ノーザンファームの生産。通算8戦4勝。総獲得賞金は3億3741万9000円。主な勝ち鞍は皐月賞・G1(25年)。馬主は(有)サンデーレーシング。

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